みやざき木づかい県民会議

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みやざきスギを使った民族楽器『ごったん』

平成25年11月18日(月)に、民族楽器『ごったん』を製作されている三股町の「美木工房」さんを取材しました。工房を引っ越しされたばかりでお忙しい中を取材させていただきました。

民族楽器『ごったん』とは

『ごったん』は別に「箱三味線」・「板三線」とも呼ばれるように、主に杉を材料として小型で素朴に作られ、一の糸のサワリのないことが特徴です。 この名の由来は、中国雲南省地方で広く用いられている「古弾(グータン)」と呼ばれている楽器が、南九州に伝わり「ごったん」と呼ばれるようになったものと思われます。 特に旧薩摩では一向宗(浄土真宗)を禁制とした為、念仏代わりにうたう唄の伴奏楽器ともなり、広く久しく民衆に愛されてきました。 演奏は撥(ばち)を使わず人差し指で弾くのが原則ですが、その音の調弦(おだめ)によって変化が多く、まさに≪極楽浄土に住む美しい鳥(迦陵頻伽)(がりょうびんが)の声のごとし≫と言われています。

~美木工房「ごったんの歴史」より抜粋~

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『ごったん』は主に、50年~100年の古民家のスギやヒノキの柱や梁等を使って製作しますが、古い農家の囲炉裏の煙で燻されたスギの梁が最適だそうです。 『ごったん』の原型は重箱だそうで、長さは約90cm、胴の形は原型と丸型があります。 歴史は500年程度といわれ、製作は全て手作業で釘などの金属部品を一切使わず小さな溝にはめ込んで組み立てます。 現在、美木工房さんでは、伝統工芸士の黒木俊美さんのお弟子さんの上牧正輝さんが『ごったん』を製作されています。
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『ごったん』は「宮崎県伝統工芸品」として指定されています。 「宮崎県伝統工芸品」とは、長年受け継がれてきた伝統的技術、原材料を用いて手工業的に製造される工芸品のことで、県又は国の定める指定要件に基づいて指定されます。 宮崎県内では現在、宮崎県指定伝統工芸品に35品目、国指定伝統的工芸品に2品目が指定されています。
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演奏は三味線と違ってバチを使わず指先で行います。 上牧さんに演奏して頂きました。 三味線のように余韻のある音色はしませんが、低く素朴な音色は500年の歴史を感じさせます。
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『ごったん』の制作する材料を実際に見せていただきました。 築50年以上の古民家のスギの柱と梁ですが、最近はなかなか手に入らないため材料集めに苦労されているそうです。
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当日は、「さお」の部分を製作されていました。 左がヒノキ、右がスギの「さお」です。 ヒノキは50年以上の枯木ですが、まだヒノキ独特の匂いがします。
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あらかじめ切りそろえた材料を、『ごったん』製作用の特別なカンナで削ります。細かな部分は小刀で削って、最後にサンドペーパーで仕上げます。
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三味線の糸巻き部分の「ケロ」といわれる部分もスギ材で作られています。
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「胴」の部分を組み立てる前の状態です。全てスギ材で出来ています。 生き物を殺生しないという伝統を受け継いで、三味線の皮に相当する部分は、約3mm厚のスギ材を使っています。

ごったんの歴史

宮崎県南部地方を含む旧薩摩藩では、明治初年までの約三〇〇年間に及ぶ一向宗(浄土真宗)の信仰を禁制とした。一般民衆は「かくれほら穴」などを作り、信仰を捨てなかった。かくれ念仏洞の発見が進むにつれ、厳しい弾圧と拷問の日々が続く中、民衆の知恵は念仏を唱える唄の伴奏楽器として都城地方では『ごったん』が広まり、明るい場所で念仏を唱えるようになる。 生き物を殺生せず板張りで作るこの楽器は、先人達の喜びや悲しみが込められ、長く更に遠い道のりを生きのびる生活の道具の一つでもあった。 現在『ごったん』は時代と共に、新築祝いなどの贈答品として需要も多く、飾り物としても幅広い年齢層の方々に喜ばれている。 また『ごったん』による念仏唄は「荷方節」などによって、人々のすべての気持ちが込められた唄として残っている。 そして、この製作に携わる者として、先人達の苦難に満ちた日々の歩みを、伝統ある楽器『ごったん』に託し、途絶えないことを願うものである。

~美木工房「ごったんの歴史」より抜粋~

美木工房

〒889-1913宮崎県北諸県郡三股町餅原268-1 TEL:090-9796-8366(上牧正輝)

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